お酒と脳卒中・心臓病・がん
胃潰瘍・膵炎とお酒との関係
急性胃炎から発展
飲み過ぎた翌朝、胃がむかつくという経験は、酒飲みにはあるでしょう。これは、胃粘膜に急性の胃炎が起きているためです。
繰り返しが胃潰瘍に発展することも
そののち気をつけて、消化のよいものを食べお酒をしばらく断てば、治ってしまいますが、このくりかえしが胃潰瘍に発展することがあるようです。
その理由は、アルコールが胃壁の神経の働きを変え、胃液の分泌を過剰に高めるためといわれますが確かなことはわかっていません。
現在では、胃や十二指腸の潰瘍は、食べ過ぎや飲み過ぎよりも、精神的なストレス原因説の方が有力ですが、飲み過ぎが胃潰瘍の誘因の一つであることは間違いないようです。
膵炎(すいえん)
また、膵炎(すいえん)もアルコールとの関わりが深く、外国のある研究によれば、急性膵炎の6割がアルコール性のものというデータもあるほどです。日本ではその割合は1、2割程度だろうといわれていますが。
アルコール性心筋症とは?
ビールを大量に飲む人に、アルコール性心筋症が見られることがあります。これは、心臓が肥大して心筋が変性を起こすものですが、原因はアルコールそのものよりも、ビールに含まれるほかの成分や、きちんとした食事をとらないことによるたんぱく質不足などが原因となる場合もあるようです。
不整脈
カリウム、低マグネシウム
また、つまみなしで多くの酒を飲む人には、栄養失調に伴う不整脈が起こることがあります。とくに、低カリウム、低マグネシウムが問題で、アルコールがなくなったときに不整脈や期外収縮、心房細動などの発作が起こり、心臓の機能がそれに応じきれないときには命にも関わります。
がんや高血圧・脳の老化とお酒の関係
肝臓や消化器のがん
タバコとは違い、アルコールとがんには因果関係は見つかっていません。しかし、なかにはお酒を多く飲む人には肝臓や消化器のがんが多いという説もあり、楽観はできません。
血圧への影響
昔から脳卒中は酒飲みに多いといわれ、血圧とお酒との関係も気になります。
少量のお酒は動脈硬化にいい?
ただ、動脈硬化に、少量のお酒はむしろいいという研究結果もあるようです。
脳の老化を早める?
また、アルコールは脳の老化を進めるという説もあります。いずれにしても、大量の酒は、体にも、心にも、脳の働きにも悪影響を及ぼすことは確かです。